月刊致知2月号に拓殖大学教授である野村進さんの「老舗企業を貫く志」が掲載されていました。

日本には、千年以上続く老舗が七社、五百年以上が三十九社、三百年以上が六百五社ある。

二百年以上は韓国はゼロ、中国は九、インドは三に対して、日本はなんと三千。世界に七千あるといわれる二百年企業のうち、実に半分近くが日本に集中していることになる。

それにしても日本には、なぜこんなに老舗が多いのか?
世界中にある老舗の分布を調べてみたところ、次の三つの理由が浮かんできた。

1. 過酷な内戦や侵略がなかったこと。

2. 継続を美徳とする価値観があること。
 例えば日本には、饅頭(まんじゅう)一筋何百年といった老舗が多数存在し、店の人もお客も、そのことを誇りにしている向きがある。しかし、韓国や中国ではそうした評価は得られない。
 「継続=美徳」という価値観は、アジアでは実は稀少なものなのである。

3. ものづくりを尊ぶ伝統があること。
 特に、自分の手を汚して何かをつくることをよしとする価値観が日本にはあるが、それ以外のアジアの国では、下賎の民のする仕事とみなされがちなのである。
 事実、十万軒を越える日本の百年企業のうち、半分近くにあたる四万五千軒が製造業とされている。

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韓国、中国、インドには二百年以上続く老舗がほとんどなく、一方、日本には三千もあるとは驚きでした。

2の「継続を美徳とする価値観があること」は、それに加えて、「現在ある物より少しでも良い物をつくろうとする飽くなき探求心があること」も含まれるのではないかと思いました。
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