西国めぐりの後は、東寺に行きました。東寺では来年東京国立博物館で開催される密教展の前に密教仏を拝観しておこうと思ったのでした。

近鉄東寺駅で下車し、南大門から境内に入りました。現在、金沢文庫で運慶の講座を受講しており、
 明治時代以前には南大門に運慶作の仁王像が祀られていた。現在は運慶の仁王像といえば、東大寺南大門の仁王像だが、明治時代以前は東寺の仁王像が運慶の仁王像だった。
という話を聞いたので、南大門から入りたかったのです。

運慶の仁王像は明治時代に焼失してして存在しませんが、現在の南大門にも仁王像は祀られていませんでした。現代の作でもよいので、南大門に仁王像を安置して欲しいです。

有料区間の受付の近くに夜叉が祀られている小さなお堂がありました。今まで何度か東寺を訪れていますが、全然気づいていませんでした。夜叉は仁王像と共に祀られていた像で、運慶は仁王像と夜叉を一緒に祀っていたそうです。現在、興福寺の国宝館に安置されている天燈鬼、竜燈鬼は東大寺の仁王像と一緒に祀られていた夜叉をヒントに造られた像だと考えられているそうです。

そして、講堂で立体曼荼羅を拝観。やっぱり、素晴らしい空間ですね。どなたが東京に来るのか分かりませんが、東京でお会いできるのが楽しみです。

次は金堂。金堂には薬師三尊が祀られていますが、日光、月光菩薩が微笑んでいるように見えて、特に素晴らしく感じました。密教仏を目的に訪れましたが、一番印象に残ったのは、優しく微笑む日光、月光菩薩像でした。

授与所を覗くと、以前の朱印帳にプラスして、新しい朱印帳が2種類あり、また夜叉が歯の健康にご利益があるので、夜叉が描かれた袋に入ったキシリトールガムが売られており、東寺の授与品も進歩しているなと感じました。
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