月刊致知1月号の伊與田覺さんの巻頭の言葉「当下一念」より。

中国古典「大学」には、
 物には必ず本と末があり、事には必ず終始がある。何を先にし、何を後にするかをわきまえ、実行すれば、人の道を踏み外すことはない
と説かれています。

本末は、木でいえば、根が本であり、枝葉が末。人間でいえば、徳性が本で、知能、技能は末であり、人間を創る上ではまず徳性を涵養(かんよう)し、身を修めることが大事だということです。

加えて事の終始をわきまえるということ。時間はもともと無始無終で、どこから始まり、どこで終わるかは分かりません。しかしその時間にも始めと終わりがあります。一瞬をとってみれば、そこが終わりであり、同時に始まりでもあります。

人間は一瞬、一瞬が終わりという自覚を持って真剣に生きることが大切です。一瞬、一瞬をよき形で終えることができれば、次の一瞬がよき始まりになるのです。
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