10月に行った「信州の美仏とお社めぐり」の話です。
覚音寺は山深い場所にありました。お寺から離れたところでバスから下車し、しばらく歩いて(行きは下りでよかったですが、帰りは当然上りでした)、覚音寺に到着しました。

お堂には「金峯山修験本宗 覚音寺」と書かれており、吉野の金峯山寺を本山とする修験本宗のお寺であると分かりました。お堂の後ろに収蔵庫があり、そこで、仏像を拝観しました。

中央に千手観音立像、向かって右に多聞天立像、左に持国天立像が安置されていました。千手観音像は地方仏というよりは中央の仏像であると感じる気品のあるお顔をされており、平安仏らしかったです。観音像には白銅鏡の納入されていたそうで、大切な仏像だったことが分かります。

多聞天は北を守護する仏、持国天像は東を守護する仏であり、覚音寺が仁科神明宮の北東にあるので、覚音寺に多聞天と持国天が祀られているのではないかとお寺の方が教えてくれました。

両像とも邪鬼を踏んでいますが、邪鬼は苦しんだ表情ではないので、改心した後の姿なのだそうです。

また、三像とも背中に刻銘があると紹介され、実際に後ろにまわって確認すると、確かに刻銘がありました。

個人では拝観するのが困難でしょうから、今回のツアーで訪れることが出来て良かったです。
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