11月22日、JR東福寺駅は東福寺の紅葉が目的の人で平日にもかかわらず、大変混雑していました。でも私は通天橋に向かう人達の列から離れ、まっすぐ勝林寺へ。途中で特別公開の看板があり、毘沙門天と書かれた奉納旗が左右に立ち並ぶ石段を登って境内に入りました。


本堂の前に受付の方がおられ、拝観料600円を払い、堂内へ。堂内は大きく三つ(左、中央、右)に分かれており、それぞれ説明をしてくれました。
一番左の部屋には聖観音像、中央の部屋には、中尊に毘沙門天像、向かって左に吉祥天像、右に善膩師童子が祀られていました。こちらの毘沙門天像は東福寺仏殿の天井内に密かに安置されていたそうで、その後、こちらの本尊として、祀られるようになったそうです。それまで本尊だった毘沙門天像も堂内に祀られていました。
毘沙門天像は像高145センチの平安時代の作で、カッコイイ仏様でした。左右の吉祥天像、善膩師童子像は江戸時代の作で、色彩がきれいに残っており、素敵な像でした。
よく知られているように毘沙門天と吉祥天は夫婦で、五人の子供がいるそうです。私は子供は善膩師童子だけだと思っていました。
五人の子供がいるのに何故、善膩師童子が脇侍として選ばれているか。それは他の子供は武器や多宝塔などを持ち、武神である毘沙門天をイメージさせますが、善膩師童子は宝の箱を持っており、財宝の神である毘沙門天をイメージさせるからです。
中央の部屋には、入口から毘沙門天が祀られている場所まで上向きの傾斜がついています。これは人間界から天上界に上ることを意味しているそうです。
中央の部屋の前に部屋には、左右に大日如来像と延命地蔵菩薩像が祀られていました。また、多聞天と書かれた額も掲げられており、多聞天は毘沙門天の別名で、入口の門と多聞天をかけているのだそうです。
右の襖絵には風に吠える虎、左の襖絵には、二匹の虎が描かれており、右は毘沙門天、左は吉祥天と善膩師童子を表しているそうです。また襖絵のある部屋は近衛家から移築されたものだそうです。
右の部屋には、毘沙門天曼荼羅の版木が展示してありました。毘沙門天曼荼羅は世界に一つしかないそうです。中央に毘沙門天、吉祥天と五人の子供、その外側に韋駄天、龍神と8人の鬼神、その外側に毘沙門天の二十八部衆が描かれています。
授与所に立ち寄ると毘沙門天曼荼羅の色紙が売っていましたので、購入しました。また「屋根瓦ご寄進のお願い」とありましたので、一枚、奉納しました。
勝林寺ではお寺の方が丁寧に説明して下さり、素晴らしい毘沙門天三尊にもお会いでき、訪れて良かったと思いました。寅歳にお参りできたのも何かの御縁だと思いますので、これからも機会があれば、立ち寄ろうと思います。
カテゴリ
タグ