秋篠寺の次は西大寺を訪れました。この時期には秘仏である愛染明王像がご開帳されています。愛染明王像は毎年公開されており、今回を逃すと拝観するのが難しいということはありませんが、西大寺は好きなお寺なので、訪れました。

まずは四王堂からの拝観です。こちらで、四王堂、聚宝館、本堂、愛染堂を拝観できる共通券を購入しました。四王堂内には左から、増長天、広目天、十一面観音、多聞天、持国天が安置されています。私はこちらのお堂の長谷寺式十一面観音像が好きです。共通券にはこの観音像の写真が載っていますが、実際のお顔は写真とはかなり違って感じます。それは長い間、観音像の前で護摩が厳修されているからで、拝観しているとありがたさが伝わってきます。

聚宝館では、奥に仏像が並んで安置されていました。

右から紹介すると、慈真和尚像は真面目な性格が顔に出ている感じがしました。如意輪観音像は円光背が赤く、赤色が像をより魅力的なものに引き立てていると感じました。阿弥陀三尊像は雲の台座に乗り、勢至菩薩が首を大きく左に曲げているのが印象に残りました。

その隣は別檀のようになっており、中央に吉祥天像、脇侍として、宝生如来、阿弥陀如来像、その周りに四天王像が安置されていました。宝生如来、阿弥陀如来像は塔内四佛であり、東京の会津八一展でお会いした像です。

金色の釈迦如来像、行基菩薩像、弘法大師像、不動三尊像と続き、毘沙門天像が安置されていました。こちらの毘沙門天はどこかと言われればハッキリとは分かりませんが、普通の毘沙門天像とは少し違う印象を持ちました。

不動明王坐像は頭が大きく、地方仏のような印象を受けました。説明にも専門の仏師ではなく、高僧が造ったものであろうと書かれていました。

そして、本堂へ移動。中央には清凉寺式釈迦如来像が祀られています。近くで拝観するとその遠くを見ている目は、迷いのない力強いもののように感じました。

右壇には像高286センチの大きな弥勒菩薩坐像。案内に叡尊の33回忌に弟子たちによって造られ、社会事業に尽くした叡尊は弥勒浄土に往生したと考えられているとありました。

そして左壇に移動すると、文殊菩薩像が祀られています。いつ拝観しても美しい像だと感じます。案内に叡尊の13回忌に造られたとありました。さきほどの弥勒菩薩像も叡尊のために造られた像ですから、叡尊は弟子たちから大変慕われていたことが分かります。

その左隣には弘法大師と興正菩薩(叡尊)尊が祀られています。立っていると見下げるような形になりますので、この二体の像は必ず着座して拝観しましょう。感じ方が全然違うと思います。

弘法大師像は若い頃の像のような感じがして、カミソリのような鋭さを感じます。一方の興正菩薩像は弟子を優しく見つめる師匠のような感じを受けます。

最後は愛染堂へ。中央の厨子内に秘仏の愛染明王像が祀られていました。秘仏のため、赤い色が残っていました。隣には御前立の模刻像も安置されていましたが、こちらも良い像でした。それ以外にも左右に二体ずつ愛染明王像が祀られ、愛染ワールドを形成していました。

左部屋には興正菩薩像が祀られており、案内によると八十歳の長寿を祝う像で、一年でも永く生きていただくことを念願して造られた像だそうです。本当に叡尊は弟子たちから慕われていたのだなと思います。

1300年祭として愛染堂客殿が公開されており、中を拝観して、西大寺を後にしました。
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