大日堂に移動しましたがまだ時間があったので、境内のベンチに座って御開帳を待ちました。そして、2時5分前になりましたので、お堂に行くと既に御開帳しており、お堂の中に入ると内陣は人で一杯でした。後で聞いたところによると、10時の御開帳の時にはご住職が居られ、きちんと塗香をして、入堂したそうですが、午後の開帳開始時にはご住職はいらっしゃいませんでした。
お堂には大きな厨子があり、中央に大日如来像、向かって右に釈迦如来像、左に阿弥陀如来像が祀られていました。多くの人が訪れるのも納得する、東京ではとても貴重な素晴らしい像です。
三像は光背が特徴的で、小さな5体の化仏をつけていました。薬師如来では光背に七仏薬師をつけていることがありますが、大日如来の光背に化仏がついているのはあまり記憶がありません。
仏像を拝観しているとご住職が来られ、説明をしてくれました。三尊の中、大日如来、釈迦如来像は12世紀の作ですが、阿弥陀如来像は元禄作です。しかし、作風は似たように造られており、パッと見ただけでは同じ時代に造られたように思えます。
戦国時代、北条氏照の居城である滝山城の鬼門除けとして、この地に移されたそうで、この辺りには天台宗のお寺が固まって建っていたそうです。江戸時代は天海により天台宗が関東で力を持っていましたが、戦国時代はどうだったのだろうと考えました。
拝観終了後、ある方が堂内に掲げられている絵馬について質問しました。絵馬には24考が描かれているそうで、一つは親が寝ている横で背中を見せている子供が描かれていました。これは親が蚊に刺されないように背中を出している親孝行の子供だそうです。
24考の話は興味深かったので、帰宅してからネットで調べると、その中に母親に乳を与える娘の話がありました。この時、一つの疑問が解けました。実は五月にお寺巡り友達と練馬の長命寺を訪れた時、老人に乳を飲ます娘がお堂に彫られていたのでこれは何だろうと不思議に思っていたのです。寺社を訪れた時、建物に彫られた彫刻を見て、その美しさに感動することがありますが、やはり、彫られている内容を理解すべきですね。美しさに感動しているだけでは美術品としてしか見ておらず、やはり、寺社ではその教えまで理解したいものです。
少し話がそれてしまいましたが、普明寺大日堂は三尊共に素晴らしく、東京文化財ウィークの中でも特にお勧めの御開帳です。

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