本日、神奈川県立歴史博物館で開催されている特別展「天狗推参!」を見に行きました。以下、展示で印象に残ったものを書きます。

・神奈川県にある朝日観音堂の兜跋毘沙門天立像が展示されていました。神奈川県で兜跋毘沙門天は珍しいなと思いましたが、案内に

 朝日観音堂は東国に入る足柄峠を越えた古道沿いに位置しており、境界寺院の仏像として相応しい。

と書かれており、やはり、兜跋毘沙門天には外敵から守る役目が求められていたのだと思いました。

・役行者像が二体展示されていました。どちらも大きな倚像で、神奈川県にもこのような仏像があるのだと思いました。一体は八菅神社所蔵でしたが、もう一体は横浜市立桜岡小学校の所蔵と書かれており、小学校が所蔵しているのでしょうか。

・刀八毘沙門天の画が展示されていました。刀を八本持ったその姿は、兜跋毘沙門天の究極的な日本的変化形だそうです。

・高尾山の飯縄権現像及び大天狗小天狗像が展示されていました。飯縄権現像はそんなにあるものではありませんし、脇侍としての大天狗小天狗が珍しく感じ、興味深く拝観しました。ちなみに大天狗は鼻が高いことが特徴な鼻高天狗、小天狗は鳥のような顔をした鳥天狗です。

・高尾山の飯縄大権現三十六童子の画も印象に残りました。平成5年に修復されたそうで、中央に飯縄大権現、その周りに三十六童子がいる画は立派でした。

・茨城県の大杉神社のものが展示されていました。海存上人像は天狗、大杉神立像は飯縄権現にソックリでした。この展示を見るまで大杉神社を知りませんでしたが、展示を見、ホームページを見ると是非訪れたい神社です。茨城県はやはり深いです。

・遊行寺の天狗の爪も展示されていました。10センチ以上あるもので、天狗の爪といわれているもので、10センチを超えるものは貴重だそうです。遊行寺では門外不出で、寺外での展示は今回が初めてだそうです。

・「笈と天狗面」では、笈の中に天狗のお面が入っていました。天狗面が入った笈を家に置き、病魔退散等を祈願する習俗だったそうです。

これ以外にも、愛宕曼荼羅、鞍馬山曼荼羅、荼吉尼天曼荼羅など興味深い展示がありました。


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