本館一階の最初の部屋に展示の趣旨が掲示されており、そこに「…各時代の人々が仏像に求めたもの…」と書かれていました。
最近、仏像の見方を色々と考えており、拝観する上で像が作成された年代は特に必要のない知識ではないかと感じていました。しかし、上述の文章を読んで、作成された時代の人々が像に求めたことを知るのは有意義であり、作成された時代は必要な知識だなと思い直しました。
入ってすぐの場所に菩薩立像が安置されており、とても美しい像でした。伝浄瑠璃寺伝来である十二神将の申像も安置されていました。伝浄瑠璃寺伝来である十二神将は別の部屋に他の像も展示されていましたが、そちらは一般の十二神将らしい迫力のある表情でした。しかし、申像は見ているこちらが楽しくなるような顔をしていました。
東大寺の青面金剛立像は青面金剛像としては日本最古だそうで、六本の手、両足すべてに蛇が巻き付いており、印象的でした。当麻寺の十一面観音像は顔に木目(?)のような模様がはっきりとあり、仏師はどのような考えがあってそのような模様を顔に残したのかなと考えました。
興福寺伝来の文殊菩薩騎獅像および侍者立像はいわゆる渡海文殊で、私の好きな像です。文殊菩薩の光背に大きな飛天(?)がついており、安倍文殊院や西大寺の文殊菩薩像はどうだったかなと思いました。
次の部屋には真如苑の運慶作と言われる大日如来像が展示されていました。数年前に東博で拝観しましたが、像の美しさは運慶作だと思います。
また、願生寺の阿弥陀如来坐像も展示されていましたが、お顔が浄楽寺の運慶作・阿弥陀如来坐像に似ていると思いました。ですので、個人的にはこの像も運慶作です。
本館で拝観した後、ミュージアムシアターを見に行きました。ミュージアムシアターは東博と凸版印刷が共同で開設し、文化財をテーマとしたバーチャルリアリティコンテンツを上演し、文化財の新しい鑑賞方法を体験できるシアターです。
今回は唐招提寺の金堂と鑑真和上像が祀られている御影堂の映像をバーチャルリアリティで見ることができました。
創建時の金堂内部の鮮やかな彩色を再現しており、創建当時はこのような素晴らしいものだったのかと感動しました。
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