受付で入館料を払うと、仏像入門と書かれた冊子を頂きました。中を見ると仏像に関して絵などを使って分かり易く書かれていました。今回の展示の目的が「夏休みに家族そろって仏像の魅力にふれていただく」ことなので、小学生にも分かるようにと工夫されているのだと思いました。
展示解説が始まる前に一通り展示を拝観し、そこで印象に残ったことを以下に書きます。
・浄妙寺 釈迦如来像
鎌倉国宝館の特別展「鎌倉の至宝」でお会いして以来の拝観となります。前回と同じ感想になりますが、美しい仏様で、普通に拝観すると見下ろすような形となりますが、しゃがんで、下から仰ぎ見たほうが何倍も素晴らしいです。
・寿福寺 十一面観音像
江戸時代の作ですが、手が4本あり、珍しい像だと思いました。
・長谷寺 千手観音画
長谷寺なのに十一面観音ではなく、千手観音なのかと思いましたが、千手観音像は更に清水寺式観音で長谷寺に清水寺式観音画があるのは不思議に思いました。
・神武寺 不動明王像
小さい像ですが、不動明王らしい格好いい像でした。
・頬焼阿弥陀絵巻
絵巻の中に僧姿の運慶が登場しているのが、印象に残りました。
・仏像図彙
様々なお経をもとに仏像や仏具などの図を集めた本で、いわば、江戸時代の仏像事典だそうです。その中に多羅菩薩が書かれており、ビックリしました。多羅菩薩とはチベットで広く信仰されているターラー菩薩のことですが、日本ではほとんど信仰されておらず、そのような仏様が江戸時代の本に掲載されているのは驚きました。もしかしたら、江戸時代には多羅菩薩はそれなりに信仰されていたのでしょうか。
・初江王像、天燈鬼像
鎌倉仏師を代表する後藤家の像で、小さいですが、上手く模造されており、迫力がありました。
・如来像
上述の初江王像、天燈鬼像の隣に如来像が展示されており、円空仏でした。
・仏像着衣部
「土紋」とは、土を固めてクッキーのようにして、木に貼り付ける主に鎌倉でしか見られない技法です。今まで、土紋のある仏像を何体か拝観しましたが、今一良く分かりませんでした。しかし、今回の展示は土紋が良く分かりました。
・獅子、狛犬
右に坐り、口を開けているのが獅子、左に坐り、口を閉じ、頭の上に角を生やしているのが狛犬だそうで、今まで、どちらも狛犬だと思っていました。
展示解説の話は次回の記事に書きたいと思います。

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