三国志に「忘年の交わり」という言葉があります。お互いの年齢の上下を忘れ、人と人とが互いに尊敬し合う関係を結ぶことをいいます。
忘年の交わりのよい点は、お互いの接点が少ないため、人生や歴史、文化といった大きなテーマで語り合え、相手の言葉を理解しようと真剣に聴くことです。
ところがIT時代に入り、人間同士が交わる機会そのものが減っています。ITの交わりでは、膨大な情報を瞬時に取得できる利点がありますが、考える時間、お互いの関係をじっくりと熟成していく時間が損なわれてしまいます。人間同士の交わりは時間がかかりますが、相手の言葉を反芻(はんすう)し、心の中に沈殿してようやく身につく一握りの教訓は、人間を養う上でかけがえのない滋養となることを忘れてはなりません。
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私もネット上で知り合った方々と寺社めぐりに行くことがありますが、忘年の交わりができているような気もしますし、出来てないような気もします。忘年の交わりを目指したいですね。
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