・理覚院
 理覚院は昨年初めて訪れて、素晴らしい観音像や西国、坂東、秩父の百体観音像が祀られており、もう一度訪れたいと思っていた寺院です。

 お堂に入ると中央の厨子の中に観音様が祀られていました。一年ぶりの対面ですが、やはり美しい観音像です。単純に美しいという言葉よりも、妖艶な美しさの方が相応しいです。理覚院にはもう一体、厨子に入った観音様が祀られています。こちらは少し高い位置に安置されていますので、下から見上げるようになります。下から見上げられることを前提に作られている像もありますが、こちらの観音様は同じ高さで向かい合うように作られたと思います。ですので、是非、同じ高さで向き合ってみたいです。

 百体観音像は坂東の観音様が見所です。後ろを向いてしまっている観音様、船に乗った観音様、踊っている観音様など、本当にユニークです。

 昨年は観音堂だけでしたが、今年は本堂も訪れました。中央に大日如来像、左右に弘法大師、興教大師が祀られていました。理覚院は浅井家家臣の井口弾正の菩提寺ですので、井口弾正について調べると井口弾正は浅井亮政の身代わりになって戦死し、娘の阿古は浅井久政の側室となり、二人の間の子どもが浅井長政だそうです。こういう歴史を知っていると理覚院を訪れた時の印象がまた違ってきます。

・冷水寺
 冷水寺を訪れるのは三年連続です。それだけ、我々の中では満足度の高いお寺です。まずはお堂で鞘仏を拝観し、鞘仏と鞘仏の中に安置されている観音様の話を案内の方から聞きました。話の内容と案内の方の熱心の話し方のため、何度聞いても、聞き飽きることはありません。

 拝観が終わった後、水まんじゅうを食べました。水まんじゅうは冷水寺訪問における楽しみの一つです。ふるさとまつりでは沢山の観音様に出会えるので、どこのお寺を訪れればいいか分からないという人もいるでしょうが、冷水寺は特にお薦めのお寺です。

・竹連寺
 地元では観音様として祀っていましたが、調査によって、阿弥陀如来像だと分かったそうです。印相は阿弥陀如来の印相とは違いますが、後世に手を換えたそうです。

 また宝冠阿弥陀像だと思っていましたが、宝冠螺髪阿弥陀如来像だとのこと。たしかに宝冠の下に螺髪のようなものがあります。説明がなければ全く気づきませんでした。宝冠螺髪阿弥陀像は全国で七体しかない非常に貴重なものだそうです。

・西野薬師堂
 西野薬師堂は初めて湖北を訪れた吉田さらささんとのツアー以来の訪問です。ツアーでは西野薬師堂に最初に訪れたので、まだぎこちなかったその時のことが思い出されました。

 堂内の中央に十一面観音像、薬師如来像、左右の檀に一体ずつ十二神将像が祀られていました。薬師如来像はとても円満なお顔をされています。印相は阿弥陀の印相ですが、江戸時代に換えられたそうです。その為、胸元の肌に該当する部分は茶色ですが、両手だけは黒色になっており、何か黒い手袋をはめているようにも見えました。

 観音像はどっしりして、たくましい像です。かっては十二体の十二神将があったそうですが、今は二体が残るだけです。境内にはもう一つお堂があり、そちらには典型的な薬師如来坐像が祀られていました。