月刊致知8月号に掲載されている九州電力会長である松尾新吾さんの話より。

私は若い頃、人付き合いが得意ではなかったんです。夕方になると同僚や先輩が目配せをして一緒に飲みに行ったりする。「あんなにうまくとけこめるかな」と思うと不安でした。

そんな時、こんな言葉に出合いました。
「穴は深く掘れ。直径は自ずから広がる」

これを自分なりに解釈したんです。「穴を深く掘れとは、仕事を一生懸命深掘りすることだ。深くなればなるほど直径は広がっていく。この直径は人の輪、交流だな」と。

交流を先にやるのは苦手なものだから、とにかく仕事を懸命にやろう。それなら俺にだってできる。そう思うと、何か精神的に救われたような気がしました。

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人間、どうしても不得意なことが一つや二つあります。それを克服するには、今自分にできることを誰よりも一生懸命に行う。そうすれば、いつの間にか、その不得意なことが克服されているようになるのではないかと思いました。
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