大日坊を出発して山寺(立石寺)を訪れる予定でしたが、その前にお寺の方の先導のもと、大日坊の旧境内地にある皇壇の杉を見に行きました。

大日坊の旧境内地は今でも誰かが木食行をしているのではないかと感じるようなところでした。しばらく歩くと皇壇の杉があり、その姿を見た全員が驚きの声をあげていました。高さ約27メートル、根周り約8メートル、枝の長さは東西・南北とも約22メートルあります。皇壇とは、景行天皇の御子である御諸別皇子がこの地で亡くなり、そのお墓に植えられたという伝説によるものだそうです。

大日坊の皇壇の杉
巨大すぎて、全体が入りませんでした。

バスが停車しているところに戻り、これで拝観はおしまいかと思っていると、お寺の方が別の場所に連れて行ってくれました。

まずは弘法大師が護摩を焚いたと伝えられている場所です。弘法大師は五鈷杵と三鈷杵を唐より投げ、五鈷杵は湯殿山の皇檀の杉に掛かり、もう一方の三鈷杵は高野山の松に掛かったという話もあります。

そして、最後は湯殿山大日坊の83世のお墓です。83世のご住職は明治時代の神仏分離令の際に湯殿山をお寺から神社に変えるように言われましたが、それを拒否したため、処刑されたのだそうです。

「そのような歴史があって、今がある」、そのことを強く感じました。今日では気軽に訪れてお参りすることが出来ますが、多くの先人の努力があって、仏法が守られているのです。たとえ小さな力でも、私もこの世界がより良くなるための教えが今後も守られ、発展していくための手伝いが出来ればと思います。
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