新井薬師の御本尊である薬師如来像も十二年に一度の寅歳に御開帳されます。御本尊は高さが一寸八分(約5.5センチ)で、表が薬師如来、裏が如意輪観音という二仏一体の大変珍しい像です。平成22年の御開帳期間が本日(5月30日)まででしたので、今日、行ってきました。

西武新宿線の新井薬師前駅で下車し、5分程歩くと新井薬師(梅照院)に到着し、山門から見える境内の景色に開帳塔婆があるのが確認できました。





開帳塔婆に触れ、本堂の前で手を合わせた後、早速、堂内に入りましたが、本日が最終日ということもあって、堂内には長い列がありました。最後尾に並びましたが、薬師如来像にお参りできるまで30分程待ちました。

といっても右壇にある不動明王像にお参りしたり、案内のテープを聞いたりしていましたので、長いとは感じませんでした。
案内によると、御本尊は新田家代々の守護仏で、戦の時は御本尊を兜に収めて戦ったそうです。また、二代徳川将軍秀忠の子どもがかかった眼病が祈祷により快癒したそうです。こういう話を聞くと、南北朝時代に活躍した新田義貞も兜に入れて戦ったのか、秀忠も新井薬師に来て、今いる本堂に座ったのかなど、色々想像してしまいます。

お参りが近くなるとお前立ちの薬師如来像がはっきり拝観できます。御本尊は小さいですが、お前立ちは御本尊より大きいですので、二体一仏であることがよく分かりました。

そして、いよいよお参りです。結縁綱を握って、御本尊の薬師如来様にお参りをしました。像は小さいので細部までは全然分かりませんでしたが、十二年に一度だけ御開帳される薬師如来様と結縁できたのはとてもありがたいことですね。

本堂を出た後、清水を頂きにいきました。新井薬師は清水の湧きいずる新井の里こそが真言密教の行に相応しい場所であると感じてそこに草庵を結んだのが始まりですので、今でも清水が湧き出ています。多くの人が水を汲みに来ており、私も一杯、頂き、新井薬師を後にしました。


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