月刊致知6月号に横田尚哉さんと岸良裕司さんの対談「公共事業再生の知恵」が掲載されていました。

私が思うにいま多くの人の頭の中は「How to」でいっぱいになっているんですね。でもハウトゥー教育をずっとやっていると目的を考えなくなってしまう。だから「How to」よりも「Why(なぜ?)」。さらにもっといい言葉があってそれが「What is it for(何のため?)」なんですよ。

公共事業に関してあることに気づいたんですが、たいていの場合、工事の目的自体が何かが分からなくなっているんですよ。例えば現場に行くと、「この工事の目的は何ですか?」と聞くんですが、いずれも「設計書どおりの○○を造ること」という答えが返ってくる。

でもその目的を突き詰めて考えていくと「地元の経済を活性化するため」とか「地域の生活を災害から守るため」といった意見が出てくる。そうやって、本来の目的はこうだったんだと気づくと、人間ってやる気が出ちゃうんですね。

いまの工事の話にしても、地域のためにやるんだと、一人ひとりが利他の心を持った瞬間に燃え上がったんですよ。

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上の文章は掲載されている順番通りに引用したのではなく、順番としては前後しますが、私的にはこちらのほうが「何のため」がより分かるのではないかと思い、このような順番で紹介しました。

残念ながら嫌々仕事をしている人は少なくないと思います。一日の仕事の時間を8時間とすると1日の三分の一は働いていることになりますので、そのような長い時間を嫌な気分で過ごしていることはとても悲しいことです。

「何のために自分は今の仕事をしているのか」。自分によく問いかけてみましょう。必ず、誰かの役に立つ、利他の仕事をしていることに気づくと思います。そして、それに気づけば、仕事も楽しくなるはずです。
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