本日は良いお天気で絶好のお寺めぐり日和でしたが、青梅市の塩船観音寺に塩船観音寺開創千三百五十年祭の御本尊記念開帳に行ってきました。

JR青梅線河辺駅からバスに乗り、バス停「塩船観音入口」で下車し、少し歩くと山門が見えてきました。

山門はそれを見ただけで古刹という感じを受けるものでした。それもそのはずで、後からお寺の方に聞いたところによると、山門、阿弥陀堂、本堂(観音堂)が重要文化財に指定されているそうです。

山門の向こうには阿弥陀堂があり、中に阿弥陀三尊像が祀られていました。御神木となっている大杉の間をぬけると観音堂が見えました。しかし、その前に薬師堂があったので、薬師堂に行きました。ぼけ封じ薬師如来だそうで、仏像は随分古い物のように感じました。これまた後からお寺の方に聞いたところによると、御本尊の観音様よりも古い仏像だそうです。

いよいよ、観音堂へ。御開帳されている観音様を拝観することができましたが、お堂の外からではやはり距離があります。ホームページに「大開帳期間中は、内陣にてご本尊特別拝観と祈願を行います。(拝観料千円/1名 特別祈願札授与)」と書いてありましたので、お堂の右側に行くと特別拝観の申込所がありました。


観音堂

早速、特別拝観を申し込むとしばらくして、内陣に案内されました。内陣には二十八部衆が祀られており、それぞれが素晴らしい仏像なので感動しました。でも、まずは祈祷です。最初に塩船観音寺について簡単な説明を受けました。ここで印象に残ったのは塩船観音寺が祈願寺であるということです。祈願寺は成田山もそうですが、良いお寺が多いです。青梅の人々に塩船観音寺が深く信仰されている理由が分かったような気がします。

祈祷終了後、特別拝観となりました。堂内左にある厨子には開山である八百比丘尼像が安置されていました。八百比丘尼像も今回、特別に公開されています。八百比丘尼の像を拝観したのは初めてのような気がします。

八百比丘尼像は頭上に花を戴いていたので、不動明王のように蓮華かと思いましたが、白い椿(つばき)だそうです。また、色彩が鮮やかだったので近年の作かと思ったのですが、50年前の開創1300年祭の時に作られた物だそうです。八百比丘尼は人魚の肉を食べたため、十代の美しさを保ったまま何百年も生きたそうですから、像も色が落ちることなく、何百年も作られた当時の美しさを保つのかも知れませんね。

厨子の前に立ち、御本尊の十一面千手観音像を拝観。このような素晴らしい仏像を近くで拝観できて、とても感動しました。また、本尊の隣に小さな仏像も安置されていたので尋ねると開山・八百比丘尼が安置した一寸八分の千手観音像とのこと。真偽はともかく、そのように思われて、大切に祀られている像を拝観できたのも感動しました。

このように内陣特別拝観は素晴らしいものでしたので、とても気持ちよく、お札を頂きました。

次は4月8日に落慶法要が行われたばかりの平和観音立像に会いに行きました。観音像は境内奥の高台に安置されており、そこから境内を見渡しています。

観音像の特徴は持物の水瓶の持ち方だと思います。水瓶の口を我々衆生の方に向けており、大慈大悲の功徳の水を我々に濯いでくれています。私も水瓶から水が濯がれているであろう場所に立ち、功徳の水を頂きました。



つづじまつりも同時に開催されています。残念ながらツツジの方はまだ満開ではありませんでしたが、それでも所々に咲くツツジの景色も十分に美しいものでした。



今回の塩船観音寺の訪問はとても有意義なものでした。内陣での拝観は今回を逃すと50年後ですので、是非、お参りしましょう。
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