今井さんは宝生流シテ方能楽師として、九十歳を迎えた現在も舞台に立ち続けている方です。
同じことだけを長くやっていて、その道に秀でるなんていうのは、偉いわけでもなんでもない。そんなものを特別、偉いなんて思っちゃいけない。そうじゃなくて、人間そのものを見て、その行いや振る舞いが立派かどうか。それを見なきゃ。それを、たいがいの人は、お金を持っているとか、地位や名誉があるとか何とか言って、皆、驚いてしまうんです。
本質を見なきゃいかんのですね、人間というのは。だから私は「偉い」なんて言葉は使わない。「できた人」と言うんです。
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