常岡さんは頭脳明晰で正義感の強い方でしたが、大学卒業前に肺結核で倒れ、幾度も生死をさまよいました。周囲の羨望の的だった人生は一転し、誰もそばに近寄らなくなり、孤独に打ちひしがれる日々を過ごしていました。
そのような時、ある方が常岡さんのもとを訪れ、次の言葉を言いました。
「比叡山でも高野山でも、もとは誰も住まない田舎だった。そこに徳の高い人が住み、田舎が都会になっていった。あなたは東京という大都会に住んでいながら、周りに誰もよってこない田舎だ。そんな人間でどうする。徳を積んで病気と縁を切りなさい」
この一言に奮起した常岡さんは修養生活に身を置くようになりました。
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