本日、遊行寺に行ってきました。訪問の目的は現在、遊行寺宝物館で開催されている「遊行寺の什宝」を見るためです。空也上人像と後醍醐天皇御像が注目の展示です。

JR藤沢駅で下車し、北口から歩いて行くと程なく、遊行寺の総門に到着しました。総門には「時宗総本山」と書かれた大きな木札がありました。伝統仏教宗派の総本山の多くは関西にありますが、時宗は神奈川県藤沢市にあります。

境内に入り、まずは本堂でお参りです。本堂内には自由に入ることができるようになっていました。お堂に入ると大きな涅槃図が目に飛び込んできました。これは、2月15日はお釈迦様の亡くなった日で、その日に涅槃会が開かれるので、前もって掲げてあるのだと思います。今年の2月15日は月曜日で、涅槃会などには参加できないと思うので、涅槃図を拝観でき、お参りができたのはありがたかったです。

時宗は浄土系の宗派なので、御本尊は当然、阿弥陀如来です。大きな涅槃図が掲げられているので、正面から拝観することができず、横からの拝観となったので、御姿はよく分かりませんでしたが、御姿がはっきり見えようが見えまいが、「南無阿弥陀仏」です。

本堂の入ってすぐ右側に大きな地蔵菩薩半跏像が安置されていました。特徴は右足の親指が異常に大きいことです。何か意味があるのでしょうか。


本堂

本堂を出ると境内にある宗祖・一遍上人像にお参り。正面からでは分かりませんでしたが、左足を前に踏み出しており、一人でも多くの人に「南無阿弥陀仏」のお札を渡そうとしている姿を表していると感じました。


一遍上人像


梅と一遍上人像

次は宇賀神を祀るお堂に行きました。こちらの宇賀神様は徳川家の祖先、新田一族の有親の守り本尊といわれています。

そして、いよいよ宝物館へ。入館料500円を払い、二階に上がるとすぐに空也上人像が安置されていました。像は想像より、小さかったです。48センチだそうで、無意識に六波羅蜜寺の像と同じぐらいの大きさを想像していました。

案内によると、
 六波羅蜜寺のものは若く凛々(りり)しい顔姿であり、対して本像は晩年の老いや苦行相が入るが、眼光は鋭く、信念を持ち、歩み続ける表情をよくとらえている。
とありました。

確かに顔を見ると若い頃というよりは晩年の頃の表情に感じました。念仏を唱える口から六体の阿弥陀が現れている像を関東で拝観できるのは有り難かったです。

展示では、熊野十二所権現像、熊野垂迹西国三十三観音像もありました。やはり、時宗の遊行寺は熊野との関係が深いですね。

そして、特別展のもう一つの目玉である後醍醐天皇御像を拝観。右手に五鈷杵、左手に五鈷鈴を持っており、真言密教僧としての後醍醐天皇が描かれているのではと思いました。

最後にもう一度、空也上人像を拝観しました。館内の光の加減で右側下からお顔を仰ぎ見ると目が光って見え、まるで目に涙を浮かべているように見えました。
その姿は、南無阿弥陀仏と唱えた口から六体の阿弥陀如来が現れたのを目撃し、そのことに対して、歓喜の涙を浮かべているようでした。


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