現代サッカーにおいて何が一番大切なのかという話になると、必ず「ハードワーク」という言葉が出ている。指導者は練習や試合に際し、「ハードワークしなさい」と説く。
「でも、それだけでハードワークの習慣が身につくでしょうか。普段からきちんとした生活を送っていない人間が、サッカーのときだけしっかり走るでしょうか」と明大の神川監督は問いかける。
自身の「ノー」という答えを出した。朝きちんと起きず、食事をしっかりとらず規則正しい生活を送らない、服装も髪形もだらしがない、授業に出ない、そんないいかげんな学生がピッチ上で規律を守れるわけがない、という結論に達した。
午前六時から練習を設定し、授業を重んじて午後は練習しない。当初は猛反発を受けたが、早朝練習によって生活のリズムが良くなり、食事がおいしく感じられ、授業に出られるようになると、選手たちは納得した。
当たり前のことを当たり前にするようになっただけであるが、この生活面の改善と今期の明大の躍進はつながっているはずだ。明大は今期、全日本大学選手権を51大会ぶりに制覇した。
だれでも早起きは辛い。できれば難解な講義は回避したい。しかし、生活の中でその程度のつらいことがこなせなかったら、試合中の苦しい局面でもう一歩走ることはできない。人間の体や脳はそういうふうにできている。
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上記はサッカーの話ですが、全てに通じる話ではないでしょうか。「○○を実現したい」という希望を持つならば、まずは当たり前のことを当たり前にする。それがその希望を実現する一番の近道ではないでしょうか。
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