女性の運転手が話しかけてきた。
「私、主婦業、母親業、農業、運転手と四つを力一杯頑張ってやっています。毎日が充実してとても楽しいです」
それに対して、青山俊董さんは以下のように答えました。
「若さと健康のおかげで四つの分野をみごとにこなすことができるうちは素晴らしい。しかし、やがて必ず老いる日が来る。ばりばりと仕事ができるということからのみ生き甲斐を感じていたら、それができなくなったときの絶望感は救いようがないほど深いものとなる。
道元禅師は『一行に遇うて一行を修す』とおっしゃった。一つのことに出会ったら、その一つのことに姿勢を崩さずにまくじき(まっしぐらに一直線に突き抜ける)に立ち向かえとおっしゃった。例えば、病気という一行に出逢ったら病気という一行に気に入ったことに取り組むと同じ姿勢で立ち向かい、そういう生き方に生き甲斐を感ぜよと示される。
元気なうちからそういう人生への取り組みを心にとどめておいて下さい」
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