会津へお寺めぐりに行かれる方の中で西隆寺に訪れる人はあまりいないのではないでしょうか。勝常寺やころり三観音などは全国から参拝者が訪れるでしょうが、西隆寺は地元の方々が主に参拝するお寺だと思います。

乙女三十三観音とは気になる名前ですが、当時二十代だった女性姉妹の石工によって作られた石像のことです。現在、姉妹は六十代だそうです。

まずは本堂でお参りをしました。曹洞宗のお寺らしく、本尊に釈迦如来、脇侍に文殊菩薩、普賢菩薩、そして、道元禅師、瑩山(けいざん)禅師が祀られていました。

聖徳太子像もありました。案内板によると秘仏として長く人目にふれることがなかったそうですが、昭和26年の開山1150年祭から公開されるようになったそうです。
案内板に「本格的な仏師によるものではなく、おそらく遊行の僧などの手によったものであろう」と書かれているように一見しただけでは中々、聖徳太子像とは分かりませんでした。

堂内の拝観が終わると境内を散策しました。境内の見所はやはり乙女三十三観音石像です。色々写真に撮りましたが、その中で、魚が彫られているので多分、魚藍観音だと思う石像の写真を掲載します。



魚藍観音は、中国の金沙灘という仏教信仰のない地方で竹籠に魚を入れて売り歩く乙女となって現れ、仏教を広めたという縁起があるので、乙女三十三観音に相応しい観音様です。

おもしろいなと思ったのは、木の空洞に「坐して自らを佛と為せ」と書かれた木板が置かれていて、そこに座れるようになっていたことです。地元の方が坐りに来ているかも知れませんね。


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