こちらのお堂は通常無住のため、拝観はおおむね一週間前に事前予約が必要です。このようなお寺に拝観できるのがツアーの良いところです。

仁王堂には、大きな草鞋が奉納されていました。会津のお寺には大きな草鞋が本当に多いです。また、紅葉途中にモミジがあり、美しく感じました。






堂内に入ると、阿弥陀如来像が祀られていました。調合寺の本尊だったそうで、今は薬師如来像のお前立ちのような形で安置されています。また、十二神将も安置されていましたが、こちらの十二神将は邪鬼を踏んでいます。邪鬼を踏んでいる十二神将はとても珍しいと思います。

そして、お堂の奥に案内され、飛天の描かれたカーテンの前で着座しているとカーテンが開けられ、藥師三尊の登場です。その御姿を見た時、全員が「オー」と叫んだほど、素晴らしい三尊です。

こちらの薬師如来像は勝常寺の薬師如来像と共に現存する会津五薬師なので、何かと比較されます。
翻波式文様(ほんばしきもんよう)が勝常寺に比べて、弱いそうです。翻波式とは、私も知らなかったのですが、goo辞書によると
 木彫りの仏像の衣のひだの表現法。大小の波が翻転するような形に彫ったもの。大和室生寺をはじめ、平安前期の仏像に多い。
だそうです。

上宇内薬師は
・表情が穏やか
・螺髪(らほつ)が小さい
・白毫(びゃくごう)がある
などの特徴も話されましたが、印象に残ったのは足の組み方が違うそうです。上宇内薬師は吉祥坐、勝常寺は降魔坐だそうです。

吉祥坐、降魔坐も初めて聞く言葉でしたが、wikipediaによると

吉祥坐(きちじょうざ)
 左足を右腿の上に乗せ、右足を左腿上に乗せる方法。蓮華坐(れんげざ)ともいい、悟りを開いた者の坐法である。
降魔坐(ごうまざ)
 右足を左腿上に乗せ、左足を右腿の上に乗せる方法。修行中の姿をあらわす坐法。

だそうです。

また、こちらの薬師如来像は1611年の会津大地震以降、雨ざらしだったそうで、その為、元禄時代に足の部分は作り替えたそうです。落慶の日が決まっていたので、膝などが荒削りなのだそうです。

上宇内薬師堂の拝観で翻波式、吉祥坐、降魔坐などを知り、今後の仏像拝観が更に楽しくなりそうです。
カテゴリ
タグ