房総のむら資料館を訪れた後、芝山仁王尊に行きました。駐車場からお寺に向かって歩いていると、とても立派な仁王門が見えました。

仁王さんは一般的に仁王門をくぐる時に拝観できますが、こちらの仁王さんは仁王門の中にある畳の敷かれた内陣須弥壇に祀られています。ということで、仁王門の中に入り、仁王さんにお参りをしました。仁王門の中に入り、お参りするお寺は初めてでした。案内にも、日本で唯一と言われているお堂形式の仁王門と紹介されています。

仁王門を出て、本堂に向かって歩いていると右側に立派な三重塔がありました。千葉県には、五重塔が一基(中山法華寺)、三重塔が二基(成田山、芝山仁王尊)、多宝塔が二基(安房石堂寺、那古寺)の計、五基の塔があるそうです。

本堂も立派で、天井には狩野実光筆の飛天の画が描かれていました。残念ながら、お前立ち本尊は毎年節分の日のみ御開帳されるそうで、その姿を拝観することはできませんでした。しかし、堂内には大きく伸びをしたようなユニークな姿の布袋さんがいらっしゃいました。

本堂の次は芝山はにわ博物館です。一階にはたくさんのハニワが展示されていました。芝山地方の大型古墳から出土したものだそうで、こんなにたくさんのハニワがあるとは思いもしませんでした。ハニワも見ていると中々おもしろいです。今は仏像ブームだそうですが、次はハニワブームが来るのではないかと同行の方と話しました。

二階は釈尊館で、お釈迦様の誕生から入滅までを描いた「釈尊御一代絵伝」を中心に、仏像等が展示されています。
地蔵菩薩立像は錫杖を持っておらず、よく見ると右手は衣の端を持っていました。頂いた案内によると、錫杖を持たず、衣の端を持つ御姿は我が国では例を見ないとも言われているそうです。
不動明王と毘沙門天も祀られていました。観音菩薩を本尊とし、不動、毘沙門の両脇侍を奉安する形式は天台密教独自の様式ですので、観音、不動、毘沙門の三尊が祀られていれば、そのお寺は天台宗、あるいは以前、天台宗だったことが分かります。

この他にも、円空仏、妙見菩薩像などが祀られていました。「千葉県に妙見菩薩が祀られていることが多い」という話になり、その理由が分からなかったのですが、展示を見ていると、今の千葉県辺りを治めていた千葉氏の守護神が妙見菩薩だと書いてありました。だから、千葉県に妙見菩薩を祀る寺社が多いんですね。

この日は龍角寺、芝山仁王尊を訪れましたが、千葉県にもまだまだ知らない素晴らしいお寺が数多くあることを知り、有意義なお寺めぐりでした。
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