関東地方の仏像をインターネットで調べていると千葉県の龍角寺に白鳳期の仏像が祀られていることを知りました。そして、龍角寺について調べると今年が丁度、創建1300年にあたり、色々な記念イベントが開催されることを知りました。そこで、11月3日に龍角寺を訪れました。

龍角寺に到着すると拝殿と収蔵庫からなるお堂があり、中に入っても良いと言うことなので、早速、拝殿に上がりました。着座して前方の収蔵庫を見ると、少し離れた場所に薬師如来坐像が安置されていました。こちらの像は頭部のみが白鳳期の作で、体部は火災の後、江戸時代に作られたそうです。作られた時代が違うと違和感を感じることもありますが、こちらの薬師如来像はまったく違和感を感じませんでした。全体的に素晴らしい仏像で、お顔は特に優しい表情でした。

興福寺に有名な山田寺の仏頭がありますが、龍角寺の薬師如来像の仏頭は、それよりも古い時代のものかも知れないそうです。そのような歴史のある仏像が関東地方にあるなんて、凄いですね。

龍角寺周辺は古墳がたくさんあり、古くから栄えていた場所だと思われます。この辺りは高台で、周りは海だったそうです。古代の関東の地形は今とは全然違うので、当時の地形図などを見るとビックリします。

龍角寺は大和朝廷関係の人が建てたそうで、高さ33メートル程度の三重か五重塔があったそうです。そのような建物ができれば、当時、この辺りに住んでいた人はとても驚いたことでしょう。「仏教=文化」だと説明の方がおっしゃっていましたが、まさにその通りだったと思います。

龍角寺の後は房総のむら資料館を訪れました。こちらには、興福寺の山田寺仏頭と深大寺の釈迦如来像のレプリカがありました。また、企画展「龍角寺古墳群と龍角寺」が行われており、十二神将のうち、二体が展示されていました。どちらもカッコイイ仏像でした。展示物を観ていると、龍角寺はすごいお寺だったと思い、古代の関東史をもっと知りたくなりました。
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