その昔、疫病退散を願って始められた祇園祭。祇園社(現八坂神社)に祈りを捧げる人々を見守ってきた秘仏がご開帳されます。多くの信仰を集めるも廃仏毀釈の難を受け、奇跡的に現代へ伝えられた、もと祇園社観慶寺薬師堂の御本尊薬師如来像(重文)をはじめ寺院初公開。
とあり、とても興味をひかれる内容でしたので、大蓮寺を訪れました。
お堂に上がると真正面に御本尊の阿弥陀如来像、その脇侍として、千手観音、不動明王が祀られていました。こちらの阿弥陀様が安産の仏様です。元々は比叡山に祀られていましたが、「京の都で女性を救いたい」とお告げになり、比叡山から下りて、京都で祀られるようになったそうです。
お堂の左側には落陽三十三観音霊場の札所本尊である観音様が祀られていました。そして、お堂の右側に祇園社本地仏薬師如来を始めとする旧祇園社の仏像が祀られていました。藥師三尊像、夜叉神明王など、素晴らしい仏像が安置されていましたが、私が一番印象に残ったのは、走り坊さんの話です。
走り坊さんとは大正時代の旗玄教(はた げんきょう)というお坊さんです。現在のように交通が発達していなかった頃、お寺に訪れるのが困難な妊婦さんのため、安産のお札を京都中を走りながら配ったそうです。
お寺を訪れて、素晴らしい仏像を拝観するのと同じぐらい、素晴らしい人の話を聞くのは良いものです。

案内板

走り坊さんのポスター
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