青蓮院にて1144年の創建以来初めて、国宝「青不動明王二童子像」が御開帳されていますので、10月31日に行ってきました。

京都市営地下鉄東山駅に集合し、歩いて青蓮院へ。受付で拝観料千円を払うと青不動のお札型お守りと祈願用紙を頂きました。

堂内から庭園などを拝観しながら奥に進むと青不動の仏画が掲げられていました。想像よりも大きな画でした。お願い事を書いた祈願用紙を奉納し、お参りした後、隣の部屋に移動して、護摩が始まるのを待ちました。

今回の訪問における一番の目的は、当然、青不動明王を拝観することですが、護摩に参加することも大きな目的の一つでした。青蓮院では通常、満月の時しか護摩が行われません。しかし、御開帳の時は毎日、午前11時と午後2時に護摩が行われますので、是非、参加したかったのです。

護摩が始まる前に門主の東伏見さんの法話がありました。貪瞋痴(とんじんち)の三毒の話があり、最近のニュースでは、貧、つまり、自分さえ良ければというむさぼりに腹が立つことが多いですが、怒りを良い方向に持っていかなければならない。貪瞋痴を焼き尽くすのがお不動さんであると話をされていました。

青不動の火炎光背には、七羽のカルラが描かれているそうです。また、青不動は古くは天皇、貴族、武将に拝まれ、今は多くの老若男女が手を合わせています。つまり、千年の祈りの結晶が今、ここにあると言われました。「祈りの結晶」は、正にその通りだと思いました。そのようなお不動さんを拝観できるのは本当にありがたいです。

最澄の「己を忘れて他を利するは、慈悲の極みなり」という言葉を紹介してくれました。良い言葉ですね。心に留めておきたい言葉です。

お参りする時は手を合わせますが、手を合わせることにより、右脳と左脳が一体して、集中できるそうです。「右脳と左脳が一体」という言葉を聞いた時、手をつなぐというのは、お互いの思いを通じ合わせるごく自然な行為なのだと思いました。

護摩では、般若心経、天台宗流の不動真言を唱えました。いつもは真言宗のお寺の護摩に参加しているので真言宗流の不動真言を唱えていますが、天台宗流の不動真言もすぐに覚えられました。

今秋は青不動明王が御開帳されているので、多くの方々が青蓮院門跡を訪れるでしょうが、是非、法話を聞き、護摩に参加されることをお薦めします。


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