致知出版社の「小さな人生論4」という本を購入しました。「小さな人生論」は月刊致知の特集総リード(特集の趣旨を概括した一文)をもとにまとめられたものです。そこに「楽天知命」という文章が掲載されていました。

“楽天知命とは、天を楽しみ、命を知る。易経にある言葉です。
天とは、与えられた環境、境遇と解してよいだろう。与えられた境遇の中で楽しみを見出し、自らの使命を知り、その使命を果たしていく。そのいう生き方をしなさいと示唆した言葉と理解できる。
天より与えられた天分、資質を楽しみ、それを発揮することに力を尽くし、使命ある人生を生きよ、と教えた言葉とも解せる。”

上記を読んで、「楽天知命」とは良い言葉だと思いました。自分の与えられた環境を100パーセント満足している人はほとんどいないのではないでしょうか。「お金持ちの家に生まれたかった」、「美男美女に生まれたかった」、「頭が良く生まれたかった、スポーツの才能を持って生まれたかった」など、様々な不満を持っています。

しかし、神仏はなぜ今のような境遇、素質に自分を生まれさせたのか。きっと、深い意味がそこにはあるはずです。神仏が何の意味もなく自分をこの世に生まれさせる訳はありません。

神仏が与えてくれた環境に感謝し、自分の役割を知り、それを通して、世のため、人のために尽くす。そういう生き方を「楽天知命」は言っているのだと思いました。

最後に本に紹介されていた住友常務理事であった田中良雄さんの詩を書きます。楽天知命の人生を生きる心得がここにあると書かれていました。

一隅を照らすもので 私はありたい
私の受け持つ一隅が どんなちいさい
みじめな はかないものであっても
わるびれず ひるまず いつもほのかに
照らしていきたい
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