本日から大津市歴史博物館で第50回企画展「大津観光十社寺・湖信会結成50周年記念 湖都大津 社寺の名宝」が開催されています。この企画は随分前から楽しみにしていましたので、早速、行ってきました。

展示では
・如来
・菩薩
・明王
・天部
・神像
に分けて、大津市の仏像、神像が安置されていました。

それぞれの仏毎にイラストを用いた説明があり、これが非常に分かり易かったです。例えば、如来では釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来、大日如来、弥勒如来が展示されていたのですが、それぞれの仏のイラストがまずあり、特徴など注目するポイントが示されていましたので、それを見てから仏像を見るとよく理解できました。

如来の展示の中で注目は、悲田院の快慶作といわれる宝冠阿弥陀如来像です。素晴らしい仏像であるのは間違いないですが、同じ快慶作である石山寺の大日如来像を初めて拝観した時ほどの感動はありませんでした。

菩薩の展示にあった普賢菩薩の解説、「法華経を教理の中心におく比叡山では、法華経結願の教主として独特な信仰がありました」は今まで知らなかった話なので、印象に残りました。
また、いつもは地味な地蔵菩薩像ですが、松禅院の地蔵像は頭部の木目(?)が髪の毛のように見え、お地蔵さんの頭に毛があるように見えましたのが、印象に残りました。

明王の展示では不動明王です。黄不動の江戸時代の模写した仏画が展示されていました。また、仏像と仏画が展示されていたのですが、不動明王は仏画の方が良かったです。仏画はお不動さんらしい迫力がありました。

天部では兜跋毘沙門天に二種類あることを知りました。一つ目は西域風の姿のもので東寺の兜跋毘沙門天像が有名です。二つ目は中国の神将形をとるもので、その例として、石山寺の兜跋毘沙門天が展示されていました。

神像では女神坐像の解説、「右袖で口元を隠すのは、姿を完全にみせないという神の現れ方を示し…」が印象に残りました。

最後にコンパクトなA5版になっている図録を買いました。図録というと写真だけ見て、小難しいことを述べている解説は読まないという場合がほとんどでしたが、「仏像・神像の入門書としても活用していただける構成になっています」と書かれているように非常に読みやすかったです。このような図録を今後も用意して貰えると嬉しいです。


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