龍安寺のつくばいに刻まれた「吾唯足知」(吾れ唯足を知る)の文字に出合い、目を開かれる思いがしました。
中央の四角い穴が四つの漢字の「口」の部分をそれぞれ兼ねており、大変ユニークな手水鉢です。ないことを嘆かず、あるものに感謝する。私は日本人の原点がこの四文字に凝縮されていることを教えられ、強く印象に残りました。
人間の幸せというのは、生きる目的、使命感、志を持っていることや、誰かの役に立ち必要とされている実感、喜びや悲しみをともにしてくれる家族や仲間に恵まれていることが非常に大きな要素を占めると思います。
人間の幸福についての理解がなければ、これからの日本の重要テーマの一つである社会福祉政策もうまく実現できません。「吾唯足知」という言葉も、その中で再び思い起こさなければならないでしょう。
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