五木寛之さんの「他力」という本を今、読んでいます。そこで印象に残った箇所を紹介します。

仏には「如来」と「如去」の二種類の存在があると考えます。

「如」とは真実、真理ということですから、如去とは真理の方へ一歩ずつ高みに歩いていく孤独な人。みんなはそれを尊敬し、後ろ姿を拝み、後ろからついて行こうとする。

一方、如来は到達した真理の国からこちらへやってくる仏です。ですから、如去は背を向けて導くのに対して、如来はみんなを救う訳だから、人の方を向いていなければいけない。最大限の奉仕をして、掌を差し出し、耳を傾けない人間まで抱えて、こちらを向けと言って語りかけるのが如来というものです。

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今まで「如来」という言葉の「来」という部分に注目することはありませんでしたが、「来」という言葉にも深い解釈ができることを知りました。
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