大法輪9月号の記事から

大陸奥地に調査・研究に入った学者がインディアンの人たちに案内役を依頼しました。当初四日間は極めて勤勉に事がはかどったのですが、五日目になるとインディアン達は車座を作って身動きしなくなりました。「賃金が不足しているのか」と問いかけましたが、彼らはいっこうに動こうとはしません。そうした日が二日続いて三日目になると、一斉に行動し始めました。意思疎通が計れるようになってから事の次第を尋ねました。すると、

「スケジュールが余りにもスピーディにできていて、我々の心が後に残されたままになった。それで二日間、心が到着するのを待ったのだ」
と答えました。

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京都や奈良を訪れた時、どうしても一日で多くの寺社を巡ろうと考えてしまいます。その為、心が残されたままになってしまうことがあります。寺社めぐりでは心の伴った旅をしたいものです。
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