滋賀県高月町では毎年8月の最初の日曜日に「観音の里 たかつきふるさとまつり」が開催されます。昨年初めて参加し、とても良い印象を持ったので、今年も参加しました。訪れたお寺の印象を以下に示します。

・長命寺薬師堂
 平成20年度より新たに開帳するようになったそうです。その為、金箔などが綺麗に残っており、美しい薬師如来像でした。

・赤分寺
 お堂の中央に十一面観音菩薩像、左右に地蔵菩薩像、弁財天像が安置されていました。こちらの観音様は伝教大師が赤川の底から取り出したものであると伝わっています。地蔵菩薩像は衣に色がかなり残っており、造られたばかりの時はどのようなお姿だったのだろうと想像しました。

・横山神社
 案内には
「創建以来秘仏として公開禁制をかたく守ってきましたが、近年、「観音の里・高月」に数多く存する観音像の中で、ただ一体の馬頭観音として貴重な存在であり、数多くの方々にそのお姿を拝して頂き、そのご利益をともにすることを願い、開扉のはこびとなりました」
と書かれていました。

馬頭観音は頭の上に馬頭をいただく観音様です。一般に観音様は慈悲の姿、つまり優しいお顔をしていますが、馬頭観音は例外的に忿怒相と呼ばれる激しい怒りを表したお顔をしています。
しかし、拝観した時の印象は怖い顔をしているとは感じませんでした。

・理覚院
 観音堂には中央に聖観音立像が安置され、向かって右側の高い場所に十一面観音立像が安置されていました。そして、お堂正面に西国三十三所の写し本尊、向かって右側に坂東三十三所の写し本尊、左側に秩父三十四所の写し本尊が安置されていました。

聖観音像は全体的に色が黒く、美しい観音様でした。私的にはこの聖観音像が今回拝観した観音様の中では一番良かったです。十一面観音像は今年のふるさとまつりのポスターに写真が掲載されている仏様です。しかし、見る角度が違う為か、ポスターの写真とは少し違う印象を受けました。

百観音像は湖北地方で唯一のものだそうです。秩父、西国、坂東の順番で拝観しましたが、最後の坂東にはユニークな像がありました。龍に乗っている観音様、船に乗って艪(ろ)を漕いでいる観音様、象に乗っている観音様、盆踊りを踊っているような観音様、そして一番ビックリしたのが完全に後ろを向いてしまっている観音様です。なぜ後ろを向いているのでしょうか。