豊国神社から知善院までは650メートルです。長浜駅の観光案内所で得た地図で迷うことなくたどり着くことができました。

長浜城の搦手門が移築された知善院の表門をくぐり、境内に入りました。しかし、境内には誰もおらず、本堂の扉も閉ざされていました。六瓢箪めぐり以外で訪れていたならば、そのまま帰ったかもしれません。しかし、今回は六瓢箪めぐりで訪れていますので、庫裏で六瓢箪めぐりで訪れた旨を伝えました。すると、「本堂に上がってください」とのことなので、本堂に行きました。

本堂には中央壇に阿弥陀如来と両脇侍が祀られており、左壇に豊臣秀吉木像が祀られていました。それらの像に手を合わせた後、「表門の傍にあった案内に重要文化財の十一面観音坐像が書かれていましたが、どこに祀られているのですか」と尋ねると拝観料300円が必要とのこと。早速、拝観料を払い、拝観をお願いしました。すると、最初から説明しましょうとのことで御本尊の説明から始まりました。

中央壇に祀られているのは阿弥陀如来像と日光、月光菩薩像で、兵庫県姫路市の書写山円教寺から運ばれたものだそうです。遠くから拝観していた時は観音、勢至菩薩像だと思っていましたのですが、近くに寄ってみると日光菩薩であることを示す日輪を持っていました。

秀吉木像は大阪城に祀られていたもので、大阪城落城の時に増田長盛の関係者が持ち出したそうです。運び出した先が長浜ということは、秀吉が一番慕われていた土地が長浜だったということです。

本堂の右側は、小谷城(?)から移築した部屋で浅井長政が客を迎えるのに使用していた部屋だそうです。ということは、その部屋で浅井長政と織田信長が話をしていたかも知れませんね。

次は少し移動して観音堂へ。中央に厨子があり、その周りに西国三十三観音の御本尊像が安置されていました。お寺の方が厨子の扉を開けると中に十一面観音坐像が祀られており、鎌倉時代の慶派の作だそうです。近くによって拝観することもできましたが、この像は少し離れた場所から座って拝観するのがベストでした。明らかに座って拝観することを前提にして造られていると感じました。

当初は朱印帳に日付印を頂いたらすぐに帰ろうと思っていましたが、観音像を拝観でき、よいお参りとなりました。知善院では観音像を拝観することを強くお薦めします。



知善院の表門前にあった「むびょうたん霊場」の旗。六瓢箪を「ろくびょうたん」と呼ばず、「むびょうたん」と呼ぶ理由が最初は分かりませんでしたが、「むびょう=無病」だからだそうです。
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