月刊致知8月号に掲載されている松原泰道さんの巻頭の言葉より。

すべてのものにはそれぞれ固有の機能があり、この機能を象徴的に明珠、仏性などと言います。

「明珠在掌(明珠掌に在り)」という禅語は、その大切な象徴が手のひら、至近の距離の中にあることを説いています。

弘法大師空海は「般若心経秘鍵」の冒頭で次のように記しています。
 真理は自分の外にあるものではない。自分の一番身近なところ、内にあるものであり、それを外に求める必要はない。

道元禅師も次のように詠んでいます。
 極楽は眉毛の上のつるしもの あまり近さに見つけざりけり」

私たちは肝心の「いま、ここ」を捨て、どこかよそに幸せを求めていきがちですが、それは決して幸福を得る道ではないのです。
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