月刊致知8月号に掲載されている佐久協さんの「高校生が感動した論語、孟子」から。

賢人が説いていることを平たく言えば、まず自分をちゃんとつかみなさい。そうすれば流されませんよ。本当の意味での自己愛と自己中心こそ、あるべき正しい姿なんですよ、ということです。

多くの人が自己愛、自己中心という言葉の意味を誤解しています。まず自分がいて、その周りに他者がいて、そして世の中がある。にもかかわらず、まだ自己も確立していない若者に向かって、自分をなげうって人を愛することが尊いだとか、自分を犠牲にして国を愛せ、などというのはもっともらしい嘘です。

自分を愛さず、傷つけ非行に走る状態を孟子は「自暴自棄」と言い、一番良くないことだと戒めています。

決して自分を捨ててはならない。本当の自愛の精神と自己中心で生きれば、自ら命を絶ったり、人を殺したりする必要もないでしょう。自己を確立し、真の自己中心を実現するためにも、自らの心を見つめ、自らの心と対話することが重要です。
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