西武新宿線中井駅で下車して、中井不動堂を目指しました。駅からの道順は分かれば難しくはないですが、初めて訪れる時は途中に何も案内がないので迷うかも知れません。私も迷いました。
道順は改札を出て、線路を越えてまっすぐ歩くと大きな道路に出ます。そこを左に曲がって道なりに歩くと林英美子記念館があります。その横の道をひたすら直進すれば、中井不動堂へ着きます。
中井不動堂は住宅街の真ん中にポツンとありました。お堂の左側から中に入れるようになっていましたので、中に入るとお堂を管理している方がおられ、挨拶をした後、早速、円空仏を拝観しました。
円空仏は不動三尊像で、不動明王像はいかにも円空仏です。不動明王像は一般に忿怒の表情ですが、中井不動堂の不動明王像は怒っている表情ではなく、むしろうっすら笑っているように感じます。左目が閉じ、右目が開く天地眼をしており、歯も右の歯が上を向き、左の歯が下を向いていました。台座・光背と持物は後世のものだと感じましたが、案内によるとやはりそうだとのこと。眷属の制多迦童子はかなり特徴的です。目がかなり大きく、遠くからもはっきり分かります。
仏像を拝観後、お堂を管理している方から様々な話を聞けました。
元々、三尊は尾張国一の宮である真清田神社の神宮寺にあり、それが中井御霊神社の別当不動院に移され、神仏分離により不動院が廃寺となり、その後は地元の人々の手で守られてきたそうです。10月28日には最勝寺のお坊さんが来られ、大護摩会が執り行われるそうです。
不動三尊は、中井出世不動尊像と「出世」という名前がついているのですが、何かいわれがあるのですかと聞いたところ、よく分からないそうです。但し、中井のお不動さんにお参りをして、出世をした方はいるそうです。
湖北では地元の方に守られている観音堂がありますが、東京に地元の方に守られているお堂と仏像があるとは知りませんでした。管理されている方は気さくに話をされる良い人なので、多くの人に中井不動堂に訪れて欲しいと思います。

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