大阪の下町らしさを感じる商店街を歩いていると全興寺の入口がありました。そこから境内に入るとまずは西国三十三ヶ所の石仏がありました。失礼ですが、このような立派な石仏があるとは想像していなかったので、ビックリしました。
境内の奥に歩を進めると一願不動尊が祀られていました。「お不動さんらしく格好良い仏像だ」と思って奥の方を見ると、苔むしたお不動様もいらっしゃいました。苔むしたお不動さんは大阪の法善寺のお不動さんが有名ですが、全興寺にも祀られているとは知りませんでした。驚きの連続です。


寺務受付の前を通り、奥に進むと本堂がありました。案内板にも「まずは本堂で御本尊様にお参りを」とありましたので、御本尊の薬師如来様にお参りしました。
奪衣婆は地獄堂に祀られているはずですが、地獄堂は近所の子供たちで一杯でしたので、先に境内を散策。境内はそれほど広くはないですが、善光寺阿弥陀三尊、涅槃仏などが祀られていました。
そして地獄堂へ。正面に閻魔大王、左に十王、右に鬼と奪衣婆が安置されていました。奪衣婆の写真は迫力があるので、興味のある方だけクリックして見て下さい。
地獄堂では、どらをたたくと地獄絵図の解説が始まりました。今の子供は嘘をつくと閻魔大王に舌を抜かれる話など地獄の怖さについて知らないでしょうから、それを知らせるよい試みだと思いました。
全興寺は案内に「おもろいてら 全興寺」と書いてあるように、境内に小さな駄菓子屋さん博物館、地獄堂、ほとけのくになどユニークなものが建っています。ですので、境内はいつも多くの人で賑わっています。このような施設を境内につくることに異議を唱える人もいるでしょうが、やはり、市中にあるお寺は訪れる人がいてこそ価値があると思います。
案内にも「昔はお寺の境内が遊び場だった。みんないっしょに遊びましょう」と書かれているように全興寺は地域の人の交流の場として、しっかりその役割を果たしているように感じました。
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