奈良町を歩き、十輪院へ。本堂に「拝観の方は奥の寺務所へ声をかけて下さい」のようなことが書かれていましたので、寺務所で拝観したい旨を伝えて本堂内に入りました。

入口で拝観料400円を払い、まずは御本尊様にお参り。十輪院の御本尊は石のお地蔵さんで石仏龕(がん)の真ん中で穏やかに微笑んでいます。石仏龕とは、花崗岩(かこうがん)で作られた厨子のことです。石で作られた厨子の中に祀られているお地蔵さんはとても珍しいです。
「こちらへどうぞ」とのことで、奥へ移動します。左脇壇の理源大師像にお参りした後、中央の御本尊の前に座り、お寺の方の説明を受けました。

お地蔵さんの左右に仏様が彫られており、向かって右がお釈迦様、左が弥勒菩薩だそうです。その外には持国天、多聞天が、更にその外には仁王様が彫られています。
お釈迦様が入滅してから56億7000万年後に弥勒菩薩が現れるまでの間、衆生を救う仏が地蔵菩薩です。よって、地蔵菩薩、弥勒菩薩、釈迦如来の三尊像はもっとたくさんあってもよさそうですが、あまり見かけません。
十輪院のお地蔵さんの特徴は錫杖を持っていないことです。これは民衆の間に地蔵信仰が広まる鎌倉時代以前に造られた仏像だからだそうです。鎌倉以前は貴族が信仰していたので、歩き回る必要がなかった。一方、鎌倉以降は民衆から広く信仰されたので、あちこちを歩き回る必要がでてきたので、錫杖を持つようになったそうです。この話を聞いて、これからお地蔵さんを拝観する時には手に錫杖を持っているかどうか確認しようと思いました。

石仏龕の仏様は全て、石仏龕の前方にある平石を見つめています。昔、平石の上に棺を載せて極楽往生を願ったからだそうです。

右脇壇の弘法大師像にお参りした後は堂内に安置されている仏像を拝観。沢山の仏像が安置されていましたが、何と言っても一押しは五劫思惟阿弥陀如来像だと思います。とてもインパクのあるお姿です。同じ阿弥陀如来像でも、紀寺の裸形阿弥陀如来像とはかなり違います。

毎月8,18,28日の午後2時から護摩祈祷が行われ、その日に限り不動明王像開扉されるそうなので、8の付く日に奈良にいることがあれば、十輪院を訪れようと思います。


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