三津寺は大阪市営地下鉄御堂筋線心斎橋駅あるいはなんば駅からほど近いところにあります。人里離れた山中にあるお寺が好きな人は多いでしょうが、私はこのような繁華街にあるお寺も好きです。
応神天皇の御墓所の跡に聖武天皇の勅命により行基が創建したお寺が三津寺で、生い茂っていた楠の大樹の中から一本を選び、その木に行基が観音像を彫刻し、本尊にしたと伝えられています。
第二次世界大戦の大空襲により、大阪市内は殆どが灰燼(はいじん)となりましたが、三津寺は御本尊のご加護により被弾のみならず類焼さえも免れたそうです。
山門から境内に入ると真正面に本堂があり、お参りをしました。本堂には「観世音菩薩」「弘法大師」「薬師如来」と書かれた三つの額が掲げられていました。
境内には本堂以外にいくつかのお堂があり、あるお堂に祀られている愛染明王像は大変立派でした。脇侍は三面大黒天と弁財天でした。別のお堂には年を取ったお顔をしているように見える弘法大師像が安置されていました。
山門の直ぐ横には十一面観音の石像が祀られていました。案内板によると、ミナミの観音さんと呼ばれているこの石像は、御本尊が秘仏の為、直接お姿を拝むことができないので、お前立ちとして御本尊と同じ姿に造られたそうです。
案内板には更に、
観音菩薩は我々にふりかかる災難の全てを大きな慈悲の心で守って下さる仏様です。特に十一面観音菩薩は11の様々な表情をした顔が頭の周りに配置されています。そしてその顔はそれぞれ正面を向いていますので、私たちがどこにいても、その日によって変化する私たちの心に合わせて正しく導いて救って下さいます。
と書かれていました
このような文章を読むと観音様は本当に素晴らしい仏様だと改めて思います。

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