阿修羅展の見所はたくさんあるでしょうが、その一つが360度、全ての方向から阿修羅像を拝観できることです。では、阿修羅像の中で一番の見所はどこでしょうか。これも色々な意見があると思いますが、私は三面の顔だと思います。特に左右の二つの顔は興福寺の国宝館で展示されている時には拝観できる角度が限定されてしまいますので、今回の特別展が左右の顔を拝観できる良い機会です。
三面の顔に関して、大法輪4月号に「阿修羅像の美」という記事が掲載されていました。
阿修羅は釈迦の説法を聞き、これまでの悪行に思い当たり、はっと気づく。それが右(向かって左)の顔である。
そして正面の顔はその悪行に悩み揺れ動く顔である。目は遠くに投じているが、焦点は心の奥深いところにあり、これまでの所業を思い出し反省と自戒をしている。
左(向かって右)の顔は善神になったすがすがしい顔である。
阿修羅は無意識に胸元に両手を合わせて合掌しようとするが、その合掌はぎこちなく、胸元の中央ではなく、左方(向かって右)にややずれて手を合わせている。その合掌は生まれてはじめてのことであったのだろう。
以上が記事からの抜粋ですが、このような考え方があるのかと阿修羅像を拝観する前にとても為になりました。特に少し中央からずれている合掌の手の解釈が良いです。この記事を読み、私も私なりの阿修羅像の解釈をしてみようと思いました。それに関しては明日の記事で書きます。
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