浅草寺誌4月号に浅草寺の貫首である清水谷考尚さんの「観音札所巡礼のすすめ」という記事が掲載されていました。

西国、坂東、秩父の百観音札所に代表される観音札所巡礼は古くから我が国の人々に実践されてきた庶民信仰です。観音様の限りない慈しみの心と尽きることのない救いの力により人生の苦難をまぬがれた人は数知れず、そのような観音様への帰依と結縁のために行われるのが巡礼です。

巡礼は「同行二人」といって、本来は観音様と自分の二人で行うものです。よって、団体巡礼では果たしてその成果が約束されるだろうかと懸念される人もいます。しかし、団体巡礼であっても、その参加の目的、動機は各人各様でそれぞれ異なりますので、結局は自分一人で巡っているのと同じ事になります。

我々の宗教行為を大きく分けると「籠もり型」と「詣で型」に分類できます。前者は坐禅、写経などであり、後者は寺社参詣です。観音札所は広い地域に散在しており、そこへ詣でるにはどうしても旅をともないます。ですからこれを「旅の中の宗教」とも言い、旅好きな日本人にかなっている信仰と言えます。昔から旅によって人は磨かれるなどと言われますが、信仰の旅は人生の道場でもあります。好季節を迎え、観音様とご縁を深めましょう。

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「旅によって人は磨かれる」は良い言葉ですね。4, 5月は寺社参拝には本当に良い季節です。私個人は、お寺めぐり友達と行く団体巡礼の予定がありますし、観音様と自分の二人で行く同行二人の予定もあります。どちらの場合においても、良きご縁を深められたらと思います。
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