華厳寺の御開帳の次は横蔵寺を訪れました。横蔵寺はテレビ見仏記9のDVDで紹介されていたお寺で、深沙大将立像と妙心法師の即身仏を拝観したいと以前から思っていました。

三重塔を拝観しながら本堂に行き、お参りをしました。そして本堂から少し歩くと、瑠璃殿がありました。瑠璃殿の受付で拝観料300円を払い、中に入ると、両脇に十二神将が祀られていました。そして、奥に深沙大将がいらっしゃいました。西遊記の沙悟浄のモデルになったそうですが、独特の風貌です。他の仏像では、木造大日如来坐像が優しいお顔をされていてたのが印象に残りました。

宝物館の対面に妙心法師を祀る舎利堂があります。本当に目の前で即身仏を拝観することができます。今回が初めて即身仏に対面しましたが、木や石で造られた仏像を拝観するのとはやはり違った気持ちになります。とても小さな体になっていますが、目は生きている時の力強さが残っているような気がしました。

境内を散策していて気になったことは「ミイラ」と書かれた案内をいくつも目にしたことです。ミイラと即身仏は違います。即身仏は五穀断ちをして、生きたまま土中に入り、読経しながら入定するものであり、その行為は全く世の為、人の為のものです。一方、エジプトのミイラなどは死後復活信仰の為であり、あくまでも個人的なものです。

お寺にそのような即身仏とミイラの違いを説明する案内があれば良かったのですが、「ミイラ」と書かれた案内しかありませんでした。今の状態では、即身仏となった妙心法師が単なる見世物となっている気がして、あまり良い気持ちがしませんでした。
タグ