月刊致知四月号に掲載されている松原泰道さんの話に「杖言葉」というのがありました。私なりにまとめたものを紹介します。

四国を歩き遍路する方は必ず杖を持ちますが、杖は弘法大師なのです。たとえ一人であっても「同行二人」といって、お大師様が一緒に歩いて下さっているのです。つまり、お遍路している方を守り支えているのです。

よく人生は旅に例えられます。人生という旅路を支える杖は何でしょうか。それは心を支える杖言葉だと思います。

松原さんは学生時代に友人と箱根を訪れた時に歌碑を見つけたそうです。そこには、
「あれを見よ 深山の桜咲きにけり 真心尽くせ 人知らずとも」
と書かれていたそうです。
それを読み、「これからどんな苦境にあっても、自分たちは人を騙したり、苦しめたり、要領のいい生き方はやめよう。山の奥深くに咲いた桜のように、誰が見てくれようとくれなかろうと、ただただ真心を尽くしていこう」と誓ったそうです。

それ以来、この時の誓いが松原さんをずっと支えました。つまり、この和歌は松原さんにとっての杖言葉の一つです。

私たちも心を支える杖言葉を持って生きていきましょう。
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