S:長年の研究から人生を輝かせて幸せに生きるには何が大切ですか。
K:何か一つを挙げると、やはり自分に正直になることです。自分の良さも弱さも素直に認めることだと思います。
S:同感です。人間は神様ではありません。完璧じゃないといけないという思いが強すぎて自分を苛めたりしますけれども、完全ではない自分を許して弱さを認めるところから人間を超える大きな存在と繋がっていくと考えています。
K:弱さを認めると自分の良いところが見えてきます。弱さを認めないで突っ張っていると、良いところは見えないで終わってしまう気がします。
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S:夏目漱石が人生には三つの生き方があると書いています。
一つ目は、一生懸命に真理を求める生き方。
二つ目は、改革や変革をするために力を得ようとする生き方。
三つ目は、人生を味わう生き方。
例えば、若い時は真理を探究し、青年期は改革や変革を求める。晩年になったならば人生の豊かさをしみじみ味わう。このように三つの生き方を自分に内在させながら、年齢と共に比重を変えていくというのが、漱石が百年前に言った言葉ですが、確かにそうではないかと思います。
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K:私たちは昔から「人に嘘をついてはいけない」と教わります。しかし、「自分に嘘をついてはならない」とは案外教わっていません。もしいま自分の人間関係がめちゃくちゃだとしたら、自分自身に嘘をついていると判断してよいでしょう。
もちろん、いろいろな人がいますから、時には仲が悪くなったり対立したりということも当然ありますが、関係する全ての人とうまくいっていないような場合は、一度自分の心を深く見つめてみる必要があると思います。
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