秘仏のご開帳に合わせて、寺院を訪れる方も多いと思います。今年の9月から西国三十三所札所会は花山法皇の一千年遠忌を記念してご開帳を行うので、私もそれに合わせて西国三十三観音巡りの2巡目を発願するつもりです。普段は厨子等に納められている仏様を直接拝観できるので、ご開帳はありがたいイベントです。

 秘仏のご開帳ではありませんが、坂東三十三観音霊場の一番札所である杉本寺で感じたことを以下に書きたいと思います。杉本寺は、行基、恵心、慈覚作と言われている3体の十一面観音立像がご本尊として祀られています。普段は3体のご本尊からかなり離れた位置に柵が置かれ、3体の仏像があるのは分かるのですが、お顔などははっきりと分からない状態です。しかしご縁日の日(例えば、四万六千日)には、柵の位置が移動し、かなり近くからご本尊を拝観することができます。

 私個人は杉本寺に何度も訪れていましたので、かなり離れた位置に置かれた柵からご本尊を拝観するのが当たり前のように思い、そこからのご本尊の姿をすっかり見慣れていました。そんな折、四万六千日にご本尊を初めて間近に拝観することができ、とても感動しました。

 普段からお参りをしていて厨子が閉まっていることに見慣れている人にとって、厨子が開いていることは非日常的な光景であり、その中に自分の帰依する仏様の姿を拝観できたならば、とても感動するのではないでしょうか。一方、秘仏開帳の日に初めて訪れた人にとって、仏様を直接拝観できる感動はありますが、その光景は非日常的ではありません(その日、初めて訪れたのでその光景が普通に思える)。つまり、普段からお参りしている人はそうでない人と比べて、秘仏開帳時に比べ物にならないぐらい感動できるのだと感じました。

 秘仏の公開時だけお寺を訪れるのではなく、なるべくなら日頃からちょくちょく訪れておきたいものですね。
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