まずは浜の宮王子跡に建つ熊野三所大神社でお参り。境内には大きな楠があり、熊野らしいと思いました。そして隣接する補陀洛山寺へ。
補陀洛とは観音様がいらっしゃる浄土を意味する言葉です。よって、補陀洛山寺は日光と並び日本における補陀洛と考えられていた熊野にふさわしいお寺です。
本堂に入ると大きな厨子があり、その脇に多聞天、広目天が祀られていました。堂内に上がれるようになっていましたので、上がって拝観していると、お寺の方と話をしていた友人が驚きの声をあげました。詳しい理由は分かりませんが、観音様をご開帳してくれるとのこと。
全員が内陣に座っている中、お寺の方が扉を開けてくれました。とてもりっぱな観音様の像でした。お寺の方の話を聞いていると、吉田さらささんの本に書かれていた「良いお寺には、そのお寺を愛している人がいる」という内容の文章を思い出しました。
本堂を出た後、補陀洛渡海に使用された船を復元したものを拝観しました。補陀洛渡海とは、生きながらに南海の観音浄土(補陀洛浄土)をめざした一種の捨身行です。復元された船を見ていると、色々な思いが浮かんできました。
補蛇洛山寺は熊野を語る上で欠かすことの出来ないお寺です。

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