炎天下の中にタンポポを見つけた。見るともなしに見ていると突風が吹き抜け、タンポポの種が色々な場所に散らばっていった。水たまりに落ちた種、アスファルトの割れ目に落ちた種、どこに飛んでいったか分からない種、よく肥えた土の上に落ちた種もあった。
その時、人間の命もこのタンポポの種と同じなのではないかと思った。この世に生まれる資格を得て、「頑張って来いよ」と生を授かり、神さま仏さまが平等な息でふーっと吹いてこの地球という星に命をちりばめて下さった。それが私たち一人ひとりではないか。
そうやってたまたま生まれ落ちた所が、自分が今置かれている環境なのだと思う。自分の境遇をかえりみて、神さま仏さまは不公平だと言ってしまうかも知れない。でも、そうではない。神さま仏さまはありとあらゆる生き物の中に“仏性”という種を公平に授けている。その種はどんな環境でも悟りを開くことの出来る種である。
その種を大きく育てるのか、あるいは不平不満ばかりで開花させることもなくあの世に行くかは、一人ひとりのちょっとした転換にかかっている。これをストンと腹に落としてやった時、「今が一番幸せ。生まれてきてよかった」と感謝の心が生まれる。その感謝の心を導くために、人生という旅に出るのではないか。
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