浅草寺誌3月号の「春のしるし」より。

稲垣栄洋さんの「雑草はなぜそこに生えているのか」という本には多くの名言があります。その一つを引用します。

理科の教科書には、先人たちの研究の積み重ねによって明らかにされたことが書いてある。教科書は分かっていることだけが書いてあるので、教科書だけ読むと、世の中のことは全て明らかになっているような気がしてしまう。しかし本当は、世の中には分かっていないことがたくさんある。分からないことだらけなのだ。分からないことが分かったときの喜びが理科の醍醐味であるならば、実は、理科の教科書の外側の部分にこそ、面白さがあるのである。教科書で勉強することはつまらないことに思えるかもしれない。しかし、教科書の外側の部分は、教科書を勉強することによって初めてみえてくるものなのだ。


これは必ずしも理科の勉強だけに限った話ではなく、人生の全てに通じる問題なのではないでしょうか。教科書をしっかり学び、更に私たちが相手にする現実の出来事は教科書には書かれていない多くの事情が縦横につながったものとして眼の前に現れていることをわきまえなければいけないのです。
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